第41章、グリーンパイソン・・・明らかになりつつあるその生態学。
 
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かれこれグリーンパイソンと言う蛇と付き合いだしてから大方8年以上の月日が流れていきました。はじめはこの蛇が何たる蛇なのかが学術的にも全く解明されていないなかでの始まりでした。そんなグリーンパイソンも生態学の調査、研究がなされてまだまだ部分的ではあるけれど少しずつその正体を明らかにしてきています。今回その一部を紹介したいと思います。

 今までこのグリーンパイソンと言う蛇は、待ち伏せタイプの蛇であるという認識をもっていました。実際の所、半分は正しく、半分は間違いであると言う事が最近わかってきました。調査の資料などを見ていると、小さな個体からヤングサイズ(変体途中の個体)などは、昼夜を問わず捕食活動をしていると言う面白いものです。そして大きな個体はほぼ夜行性で、日中はほぼ高確率で木の上からは降りてこないと言うのです。これは大きな個体は夜間のみ捕食活動を行っていると言うとり方ができます。これらの事をかんがみて、グリーンパイソンの捕食行動はただの待ち伏せでは無く、移動型待ち伏せタイプと言えるでしょう。

 また面白い事に各サイズで例外無く、夜間は地上に降りる確率が40パーセント近く上がると言うのも驚愕の数字です。樹上性の蛇が地上に降り活動すると言うのは、当然リスクも伴う行為なので、その状況下で保身をしながら捕食をするというのは通常の地上性の蛇に匹敵するほどの行為になります。しかしこれを補うだけの強靭な皮膚組織や大きさを持たないグリーンパイソンが、的確に敵を捕食する為に行う行為が、おそらくヤコブソン器官やピットなどで得られる情報を分析し、捕食対象物が通るであろうポイントで待ち伏せをするという行為なのだと思います。その場所を探す為の行動ならば地上に降りる事もありうる行為であり、また敵の行動を先読みした兵法の使い手であるともいう事が出来ます。
 
 グリーンパイソンの体の構造を考えても、地上で襲える攻撃構造と言うよりも、体を固定させ、リーチの範囲内での攻撃を主としたものになっているのもわかります。これらの事実が明らかになると言う事は、グリーンパイソン飼育の中でも大いに役に立つ情報であり、また生態学を学ぶという意味でも非常に興味のあるものだと思います。
 
 食についての分析も行われており、グリーンパイソンの捕食対象物は多種多様であると言う事がわかってきています。その中でも一番多いのは、やはり哺乳類が圧倒的割合を占めているようですが、その他に、鳥類や爬虫類、昆虫といったものまで捕食の対象になっていると言う結果が出ていました。この特殊な捕食対象物(爬虫類や昆虫類)は統計的に見て、小さなベビー個体からヤングサイズに多くみられ、大きな個体はほぼ鳥類か哺乳類になっています。これらのデータはワイルド個体の入荷時の立ち上げ時に大いに役に立つ情報です。餌を食べないグリーンパイソンの新たなる対策が考えられますね。

 テリトリーについてもグリーンパイソンはおおよそ10メートルから15メートルぐらいの高さの木の上から地上にかけて生息しており、その活動範囲はおおよそ半径約5キロ前後だと推測されていますが、これは捕食対象物の有無や数により変化に富んでいる為にどこまで正しいものなのかは疑問ですが、まあ大方そんな感じでしょうね。

 これらのデータを総合的に考えると、グリーンパイソンは以外にも木から下りなければ生息できない蛇であるとも思えてしまいます。身を守る為に木の高い位置で休眠し、捕食する為に地上近くに降臨し狩りをする待ち伏せタイプと言うのが多分正解でしょう。過去、現在、未来を予想しながら行われる彼らの狩りは、全てが論理だてられた究極のハンティングパターンの中で成立する芸術だと私は感じます。身震いするような生態に改めて魅了されたのは言うまでもありません。

 それでもまだまだこのグリーンパイソンには多くの謎が残されています。それは適正温度についてや、病気、また発病のメカニズム、代謝機能、免疫力などですが、これらの領域を究明するにはまだまだ時間がかかると思います。またグリーンパイソンの飼育学でも新しいやり方、発見などの追及をこれからも個人的に進めて行きたいと思います。謎のベールに包まれた最高のハンター、グリーンパイソンにはまだまだ魅せられやまない事でしょう。
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by kanrep | 2010-06-09 00:50 | 私的バイブル集
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