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第38章、キアシリクガメ・・・二つの世界を生きたるもの。
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南米大陸に生息するこの大きなリクガメは、南米のゾウガメとも言われているほどその大きさは世界でも知られています。世界に生息しているリクガメ属のなかでも、たしか3番か4番目ぐらいの大きさを誇っていると思われます。こんなキアシリクガメと言う種なんですが、常にアカアシリクガメと比較される事が多々あります。同じ南米の大型種で、色も形も違うのにほぼ同じ扱いなんて、飼育者はさぞもどかしい事でしょう。ここではありきたりの頭の違いや、甲羅の違いなんかについては書きませんが、飼育の中でこのキアシリクガメが本当はどんな種類なのかを書いていきたいと思います。

 大方キアシリクガメは飼育が簡単で飼いやすい種であるとよく言われます。あながち間違いではありませんが、実際のところこのアジアのゾウガメ、キアシリクガメのアダルトサイズはなぜさほど国内では話題にならないのはなぜでしょう?それはそこまで大きくなっていないからというのが一番大きな問題の一つに挙げられると思います。最大サイズが70~80センチとまで言われている大型種がなぜ大きくならないのか?国内飼育者のほとんどが平均的に30㎝から40㎝ぐらいの大きさには育て上げていますが、そこからのサイズアップがなかなか進まないところなのです。この問題について個人的に色々な角度で検証し、それにより一番ベストな飼育方法を考える事が出来るのではないかと思います。

 まず飼育個体を育て上げていくと普通にエサを食べ大きくならないのが不思議なくらいに状態も良く育ちます。ここでの環境は小さな個体の場合、高温多湿とまあ普通に考えうる状態でみなさん飼育している事と思います。がキアシリクガメに一番必要な事、それは豊富な運動量に起因するものだと私は考えています。この種は基本的に南米の雨季も乾季も関係無く活動します。この自然の成り立ちの中にこそ大きくなる秘密が隠されているのだと思います。

 例えば乾季にはエサの豊富な場所にはより多くの生き物が集います。そこでは様々な生物多様性の理論が働きます。そんな場所では例外なくこのキアシリクガメもより多くのエサを食べる為に集まり、野草が豊富な日のあたる場所では、適度な体温を維持できる為、雨季よりも膨大なエサを摂取するのは想像できます。また産卵などを行うメス個体もこの間に場所の選定や体力増強などを行う事でしょう。これらを行う為には相当量の運動量が必要になると思われます。乾季の作業はこうして約半月と言う期間を過ごすのでしょう。

 その半年が過ぎ雨季を迎えるキアシリクガメは次に何を行うか?雨が降り注ぐジャングルはその広大な土地が水で覆われる事になります。気温は平均して下がり、爬虫類にとっては行動しにくい時期なのですが、このキアシリクガメは雨季の時期でも活動します。エサ場となった豊かな場所は水に埋没し新たなエサ場を探し求める旅に出向かなくてはなりません。その為大きな川や流れのある危険な場所さへも泳いで渡る事になります。決してうまくは無い泳ぎはキアシリクガメの体力を相当奪う事でしょう。また新たにたどり着いた陸場に多くの野草が存在するとも限りません。キアシリクガメにとって雨季は乾季よりも厳しい季節であると言えますね。

 この2期の生活環境の中でキアシリクガメの繁栄と生存を支えているのはやはり大きさなのではないでしょうか。これを耐えうる為には体力が必要となりそれに見合った体が必要です。この進化の過程においては最高のポテンシャルを得たリクガメだと言えますよね。他のリクガメより優れた運動性能はこのキアシリクガメの大きな特徴の一つでしょう。アカアシリクガメも同じような環境で育ってはいますが、甲羅の形状からして、外界に出るキアシとは違い内陸に移動する為の甲羅形成なのかもしれませんね。大きさがほぼ同じぐらいに成長する事から運動能力は互角であると思われます。

 さて、キアシリクガメのこれらの特性を飼育環境下ではどの様に再現すればよいのでしょうか?率直に言ってケージ飼育では不可能に近い、と言うのが私の見解です。だから大きな個体が飼育下では見当たらないのでしょう。環境ストレスによる能力の低下は大きくなる事を必要としていない自然な成り行きの一つです。これを食べ物で補おうとしても、運動能力に必要な量だけを生き物達は食べるにとどめます。ケージと言う限られたスペースでは生き物自体がそれを拒絶する傾向にあると私は考えます。代謝が促進しなければ食べる必要量が変わるのは当たり前の事ですよね。これはお店で放し飼いにしているリクガメ達とケージのリクガメを見比べていると自然と感じられます。

 この不可能という中でも例外的に一筋の光明があるとすれば、飼育個体にできるだけ広く、歩行量を多くしてあげる様な環境作りをしてあげる事により個体をだますと言うやり方が一番いいと思います。人の手で飼育する以上環境再現は難しい問題です。特に大きくなる個体はなおさらなので、ある程度の大きさの個体には放し飼いをお勧めします。もちろん適温の部屋での話ですが。これら様々な事を行ってあげる事で運動量を増やしてあげると言うのが大きくすると言う結果につながる筈です。

 大きくしてなんぼの大型リクガメのキアシリクガメは常に2つの別々の世界を生き抜いています。代謝機能を低下さす事で生き残りの道を切り開くのではなく、活動する事で活路を見出している力強いこの種は逆境をものともしないお手本の様な生き物です。キアシが教えてくれる事、それは今の人間が無くしかけている大切なものなのかもしれませんね。私が以前飼育していた個体も40㎝ぐらいから成長線が出なくなりなかなか大きくなりませんでした。これらを今思えば上文であげた様な理由なのかもしれませんが、これを解決するためにはまた再びキアシリクガメをベビーから飼育し検証する必要がありますね。キアシリクガメを飼育されている方へ・・・70㎝目指して頑張ってください!

 PS・・・ここでは書きませんでしたがこの様な生体には成長段階で紫外線の問題が大きく関わってきます。お忘れなく!!!詳しくはお店にてお聞きください!!!
by kanrep | 2010-03-09 14:28 | 私的バイブル集
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