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第32章・・・マダガスカルヨコクビガメ(狂気の真実)
 
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何年か前、大量の数が輸入され一躍ヨコクビガメの知名度を上げた人気種だが、その大量入荷の為、レア度が減退し人気も比較的落ち着いた感のある種になりました。この種の最大の魅力は成長に伴い大型化しその容姿は見る者を圧倒する迫力にある。また飼育も容易で、何でも食べ、高温、低温にも強く、粗悪な環境でも適応してしまうほどの生命力の持ち主だ。ある意味日本に帰化しているミドリガメを思わせるほどの強さは飼育者にとってはありがたい長所と言えるだろう。容姿も一枚一枚の甲板に美しい黒く細いラインが入り、鮮やかな茶褐色で、少しふくれっ面の口元も何とも言えない可愛さも兼ね備えているのが面白い所だ。最近では国内でもブリード個体が出ておりCB化が図られていると言うのは、大型種としてはあまり例が無く、大変喜ばしい事です。しかしながらこのもっとも理想的な種であるマダヨコにも飼育者を悩ますデメリットがある事を覚えておかなくてはいけません。

 マダガスカルヨコクビガメの最大の短所、それは凶暴性にあります。この種は大型化する為に捕食量も膨大で空腹を満たすのにかなりのエサの量が必要になります。したがって空腹を満たす間は常に気が荒く、他のカメやその他の生き物をむやみやたらに攻撃し捕食の対象にしようとしてしまいます。この様な個性により単独飼育が基本になりなかなか他の生き物との混泳を困難なものにしてしまっているのが大方の見解ではないでしょうか。でもこれは本能であり当たり前の事なので、飼育下でこれを逆手にとってそこを楽しむ飼育方法は無いものかと自分なりに色々と検証してみました。

 まずこの様な気の荒い生き物は狭い飼育環境では絶対と言っていいほど飼育は不可能です。弱い個体がすぐに淘汰されてしまいますから、広めのケージ(1200x600x600)を用意して、底面に砂をひいて潜れるようにし(沼ガメは泥にもぐるので)、中には倒木をアレンジした大きめの流木を流しました。これをオーバーフロー水槽にして水質の安定をはかり、そこへ6匹ほどの個体を混泳させて飼育してみました。

 水槽上部にはメタハラを照射しバスキングもできる様設備を整え様子を見ていくと、やはりと言っていいぐらいに小競り合いは起こります。でも死に至る喧嘩はおこりません。ある程度の広さが、逃げる!という行為を再現し、緩和されているのです。またこの状態で1年以上飼育していると水槽内で交尾をする状況も見うけられ面白い。砂の中では潜って安眠している個体や、倒木の上では2~3匹が同時にバスキングしている姿も見受けられます。これは、なんとも自然な田舎の池を眺めている様な感覚に陥り、しばし時の過ぎるのを忘れてしまうほどの感覚を屋内で味わう事が出来てしまいます。

 これらの状況を見ているとマダガスカルヨコクビガメのデメリットでもある凶暴性にはかなりの誤解がある様に思います。本来この種が他を攻撃したりする理由は自己のテリトリーを保全するためのもので、むやみに攻撃しているものではないと思います。狭いケージで飼育されその本質を理解されないが為に凶暴性だけが強調されいているにすぎないのだと言う事をこの飼育では学びました。本来この種が生息している広い池や沼ではごくごく普通のカメの暮らしをしているだけなのでしょうが、飼育と言う特殊な人間の作り出す環境下では、本来の姿をみんな見る事ができていないだけの事ではないでしょうか。凶暴性とは本来自分の身を守る為の行為であり、私達がこのマダガスカルヨコクビガメに対する凶暴性はその本質を逸脱した見解なのだと思います。

 私は今、この種について考えた時、マダガスカルヨコクビガメにあった施設で飼育さえすれば実は温和で協調性のある種なのではないかとさへ思っています。マダガスカルの生息地では一定の場所でまとまった数の個体が安定して生息していることからもそれはうかがい知る事ができます。なかなか日本の飼育事情では見落としがちなこの種の魅力を存分に味わうには様々な事を考え、挑戦する事が必要です。誤った認識で飼育しつづけると言う事、それはマダガスカルヨコクビガメの間違った楽しみ方なのではないでしょうか。
by kanrep | 2010-02-23 11:48 | 私的バイブル集
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