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古くから輸入されていたアジアの特殊な形態をもつこのカメは、その大きな頭が最大の特徴
であり、また人気の大きな要因の一つにもあげられます。現在5亜種が存在しそれぞれが独特の雰囲気を醸し出すことで人気に衰えは感じられません。しかしながら、近年乱獲や環境破壊により自然個体生息数が激減しサイテスの付属書Ⅱ類に掲げられました。これにより、日本への入荷数は激減し簡単に入手できる種類ではなくなってしまいました。中でもシュウイオオアタマや本物の中国オオアタマなどは無いに等しいといっても過言ではありません。今後この種は今以上に輸入の対象からははずれ愛玩ペットとして店頭に陳列される事も無くなっていくものの一つに挙げられると思います。
そんなオオアタマガメですが、飼育に関しての意見は大きく二つに分かれてしまいます。それは=簡単だ=、という意見と、=難しい=、というものです。どちらが正しいものなのか自分なりにここで意見を書きたいと思います。
まず簡単だという見解は、多くの飼育者が長期飼育を可能にしている事でその本質を理解してもらえると思います。長期飼育しておられる方の多くはそれほど大きな飼育施設で飼育されているわけでも無く、エサも魚や甲殻類、あるいはその他の様々なエサを問題無く食べてくれるの様な個体を飼育しており、気にしている事と言えば、夏場の温度上昇ぐらいだと思います。これは、オオアタマガメは清流、又は流れのある小川に生息している為、生息場所の水温は夏場でも上昇しにくい事が理由に挙げられます。しかしながら温度帯にしても、日本の季節に適応する為、少々の温度上昇では死に至る事が少ないと言うのも飼育者に簡単であると思わせる要因の一つです。この様に基本的には難しい種ではないと言うのも間違った意見ではないのです。
次に難しいと思っておられる方については、大方の人が1匹は購入後すぐに死なせてしまったり状態を落としてしまったりさせた事があると思います。オオアタマガメの場合、輸入直後の状態が大きく影響し、少しでもばてている様な個体は立ち上げ作業が非常に困難になります。また1週間から10日の間に水カビや炎症を発症させ死に至るケースもよくあります。これは生息地の水質と日本の水質との不一致でオオアタマガメの皮膚が適応できない事で起こる病例です。これらの要因が折り重なり死に陥る個体を手にした飼育者の意見が難しいにつながるのだと思われます。
この二つの意見を総合的に考えた時の私的見解としては、オオアタマガメの飼育は決して難しいものではないと言うのが正解だと思います。基本的に状態のいい、お店でトリートメントを施された個体を購入すれば大方簡単だと思えるのではないでしょうか。また購入後も一月ほどは自分で薄い薬浴ケージでトリートメントし、食べるだけのエサを与えて完全立ち上げさへできていれば深い落とし穴にははまる事は無いでしょう。ただ活動的なカメなので脱走などの事故を防ぐ事は飼育者の最低限の責務だと思います。思いもよらないほどの高さを上り下りするので油断大敵です。しかしこれは他のカメとは違うオオアタマ独特の行動学なのでそれを楽しめる方法での飼育が理想的なんですが、飼育施設を大きくするとエサをとるのがうまくないこの種にとってはいい悪いは微妙なところですね。様々な事を考え試行錯誤しながら楽しめるのはいいことなのでこの種が持つ魅力はただ単にその容姿のみならずこの様な所でも味わう事が出来ます。私のカメ仲間は20年このオオアタマを飼育していました。甲羅や頭は老体になるにつれごつみを帯び何とも言えない渋さを醸し出していました。60センチ水槽ですがそこまで仕上げた仲間には脱帽したのを覚えています。長く楽しめるこの種は決して難しい種ではなく親しみやすい種であると私は考えます。
PS・・・以前オオアタマガメが各産地大量入荷した際、分類作業を行ったのですが、大まかな5種では到底くくれない種も見受けられまだまだ分類学上では細分化される可能性を秘めていると感じました。明らかに外的容姿が異なるシュウイオオアタマガメさえ雲南オオアタマとのクロス?と思わせる個体も存在しました。またビルマとタイ(ボーグリー)の区別もそうですが、生息領域の国境線では明らかにクロスし独特の個体群が存在するのは確かだと思います。
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