第25章、ジーベンロックナガクビガメ。Macrochelodina rugosa(お客様リクエスト)
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首のなが〜いカメで一番最初に頭に思い浮かべるのがこのルゴッサです。
ルゴッサといえば親しみが無いかもしれませんが、ジーベンロックと言えば誰もが知っている事でしょう。
ルゴッサとはもともとチリメンナガクビガメなどに付けられている学名でしたが最近はこのジーベンロックもルゴッサになっているようです。分類学の観点については今後の調査、研究に期待するとして、このカメの特徴でもある長い首について子どもじみた疑問を持ったことはありませんか?
最初にこのカメを飼育したのが高校生の時で、その頃ふと、何でこんなに首が長いの?、と真剣に悩みました。本にはそんな理由が書かれていることも無く、自分なりに一生懸命考えました。考えたところで解るわけも無くひたすら観察していると、見ているうちに一つの事に気が付きました。
他のカメ(その頃すでに何種類か飼育していましたので)との違いで明らかに違うしぐさを発見しました。それは餌を与えた時の餌の食べ方です。他のカメさんはちぎって食べる傾向があるのに対し、このカメは水の中で大きな音をたてて一瞬で吸い込む様な捕食の仕方です。この飲み込むと言うスタイルは首が長くなくては不可能な捕食形体です。通常の餌をちぎって喉から胃へ押し込むと言う作業ではほぼ詰まらせると言うような事は起こりにくい(食べやすいサイズに切り取るので)ですが、もしジーベンと同じように一瞬で飲み込んでしまうような行動に出れば餌を喉に詰まらせてしまいます。ジーベンをはじめとするこのナガクビ属はこの様な捕食スタイルゆえに首を長く進化させることによって、一時的に飲み込んだ餌を長い首で一時保管が可能で餌づまりを回避していると思います。魚を主食に進化した究極の形態がこの長い首ではないのか?と思いました。観察していると食べた魚を首の筋肉を使い食道まで運ばれているのが見てとれます。これなら詰まらせると言うリスクはかなり軽減されます。
特徴的なこの長い首の疑問においてこの理由以外に考えられるのが、捕食時の獲物との距離が想像できます。一撃で仕留めないといけないわけで首のリーチが短ければ打率が著しく下がります。このあたりはヘビの捕食時の動作やカマキリがカマで餌を捕る時の動作に似ていると思いますが、一定の距離=理想的な長さ、と言うような感じで長さが必要なのでしょう。
甲羅の形状は他のナガクビとほぼ変わりは無いのは水中生活に適応する進化においてはどの種も皆同じ答えの結果でしょう。高校生の時考えた疑問や観察と言う行為は、今でも飼育スタイルとして行なっています。形に変化のある生き物はその理由が必ず存在しますが、なぜそうなのかというような正解を簡単に知る事よりも、想像して自分なりに研究し、仮想世界を作り出すその過程を楽しむことの方が生き物飼育には必要です。
ジーベンと言うナガクビガメの存在はそんな疑問を投げかけてくれる種であることは言うまでもありません。自分なりに推理を組み立てて検証することの楽しさを教えてくれる面白いカメ。それがジーベンだったと思います。飼育は簡単なカメなので他とは違うハンタースタイルを実感してみるにはいいカメだと思いますが、ちなみに飼育下でも20センチは超えてくるので施設の考慮は必要ですけどね。独特の進化をおこなったジーベン達の世界観を一度想像してみてください。そこにはあなたが思う答えがあるはずです。正解か不正解かは問題ではありません。
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by kanrep | 2009-03-29 00:32 | 私的バイブル集
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