カテゴリ:私的バイブル集( 41 )
第41章、グリーンパイソン・・・明らかになりつつあるその生態学。
 
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かれこれグリーンパイソンと言う蛇と付き合いだしてから大方8年以上の月日が流れていきました。はじめはこの蛇が何たる蛇なのかが学術的にも全く解明されていないなかでの始まりでした。そんなグリーンパイソンも生態学の調査、研究がなされてまだまだ部分的ではあるけれど少しずつその正体を明らかにしてきています。今回その一部を紹介したいと思います。

 今までこのグリーンパイソンと言う蛇は、待ち伏せタイプの蛇であるという認識をもっていました。実際の所、半分は正しく、半分は間違いであると言う事が最近わかってきました。調査の資料などを見ていると、小さな個体からヤングサイズ(変体途中の個体)などは、昼夜を問わず捕食活動をしていると言う面白いものです。そして大きな個体はほぼ夜行性で、日中はほぼ高確率で木の上からは降りてこないと言うのです。これは大きな個体は夜間のみ捕食活動を行っていると言うとり方ができます。これらの事をかんがみて、グリーンパイソンの捕食行動はただの待ち伏せでは無く、移動型待ち伏せタイプと言えるでしょう。

 また面白い事に各サイズで例外無く、夜間は地上に降りる確率が40パーセント近く上がると言うのも驚愕の数字です。樹上性の蛇が地上に降り活動すると言うのは、当然リスクも伴う行為なので、その状況下で保身をしながら捕食をするというのは通常の地上性の蛇に匹敵するほどの行為になります。しかしこれを補うだけの強靭な皮膚組織や大きさを持たないグリーンパイソンが、的確に敵を捕食する為に行う行為が、おそらくヤコブソン器官やピットなどで得られる情報を分析し、捕食対象物が通るであろうポイントで待ち伏せをするという行為なのだと思います。その場所を探す為の行動ならば地上に降りる事もありうる行為であり、また敵の行動を先読みした兵法の使い手であるともいう事が出来ます。
 
 グリーンパイソンの体の構造を考えても、地上で襲える攻撃構造と言うよりも、体を固定させ、リーチの範囲内での攻撃を主としたものになっているのもわかります。これらの事実が明らかになると言う事は、グリーンパイソン飼育の中でも大いに役に立つ情報であり、また生態学を学ぶという意味でも非常に興味のあるものだと思います。
 
 食についての分析も行われており、グリーンパイソンの捕食対象物は多種多様であると言う事がわかってきています。その中でも一番多いのは、やはり哺乳類が圧倒的割合を占めているようですが、その他に、鳥類や爬虫類、昆虫といったものまで捕食の対象になっていると言う結果が出ていました。この特殊な捕食対象物(爬虫類や昆虫類)は統計的に見て、小さなベビー個体からヤングサイズに多くみられ、大きな個体はほぼ鳥類か哺乳類になっています。これらのデータはワイルド個体の入荷時の立ち上げ時に大いに役に立つ情報です。餌を食べないグリーンパイソンの新たなる対策が考えられますね。

 テリトリーについてもグリーンパイソンはおおよそ10メートルから15メートルぐらいの高さの木の上から地上にかけて生息しており、その活動範囲はおおよそ半径約5キロ前後だと推測されていますが、これは捕食対象物の有無や数により変化に富んでいる為にどこまで正しいものなのかは疑問ですが、まあ大方そんな感じでしょうね。

 これらのデータを総合的に考えると、グリーンパイソンは以外にも木から下りなければ生息できない蛇であるとも思えてしまいます。身を守る為に木の高い位置で休眠し、捕食する為に地上近くに降臨し狩りをする待ち伏せタイプと言うのが多分正解でしょう。過去、現在、未来を予想しながら行われる彼らの狩りは、全てが論理だてられた究極のハンティングパターンの中で成立する芸術だと私は感じます。身震いするような生態に改めて魅了されたのは言うまでもありません。

 それでもまだまだこのグリーンパイソンには多くの謎が残されています。それは適正温度についてや、病気、また発病のメカニズム、代謝機能、免疫力などですが、これらの領域を究明するにはまだまだ時間がかかると思います。またグリーンパイソンの飼育学でも新しいやり方、発見などの追及をこれからも個人的に進めて行きたいと思います。謎のベールに包まれた最高のハンター、グリーンパイソンにはまだまだ魅せられやまない事でしょう。
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by kanrep | 2010-06-09 00:50 | 私的バイブル集
第40章、キボシイシガメ・・・アクアリウムの銀河伝説。
今回は特別企画として、毎年行われるブリクラでおなじみのミズガメブリーダー、ヒポカンパスの江郷さんの投稿記事を掲載いたします。キボシイシガメブリードをはじめその他様々な水ガメの繁殖を試み、それらを成功させる技術力は、全てのブリードを目指す人にとっての指針になると思います。今後ヒポカンパスさんにはこれらの技術公開をお願いし、多くの爬虫類ファンにブリードと言う世界をより一層身近なものにしていく為に尽力を尽くしていただくようお願いしたところ、快く快諾していただきこの様な企画が成立いたしました。ヒポカンパスさんには今後も色々な事でご協力とご教授を賜りたいと思います。   カンレプ 間瀬隆徳

                 
 キボシイシガメ(以下、キボシ)は、国内では比較的ポピュラーな種で、黒い甲羅に黄色のスポットが散らばった、名前のとおり夜空に輝く星をイメージさせる小型の美しいカメです。
今回はキボシの繁殖をメインに、これまでの私の経験を踏まえて書いてみますので、これを読まれて繁殖にチャレンジする人が増えてくれれば幸いです。
私は大阪に住んでいるので、例えば冬眠の準備については大阪或いは広くても関西にのみ適用されると思って、適宜修正を加えてください。
キボシは北米(カナダ・アメリカ合衆国)に生息するカメなので、1年を通して屋外で飼育できます(成体は冬眠させています)。
飼育容器は、セメントをこねるときのトロ舟をホームセンターで買ってきて(サイズは87cm×59cm)、底には排水用の金具とゴム栓を取り付けて、掃除が簡単にできるようにしています。
キボシは非常に日光浴を好むカメであり、また、産卵場所が比較的偏るため、飼育容器の半分を陸場にしています。水場と陸場の境界は、できるだけ軽く仕上げるために発泡スチロールの板を置いた上から防水セメントで固めて、さらにシリコンで目張りをしています。キボシの容器は屋上に置いているので、夏は強力な日差しが照りつけます。いくら日光浴が好きだといっても、日差しを遮るものがないと熱射病になって死んでしまうので、屋根は不可欠です。私は、写真のように日曜大工でカメ小屋を作っています。カメ小屋にはカラス避けに防鳥ネットを被せています。
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陸場は、砂と土を半々に混ぜて堀りやすくしています。
オスは年中メスを追い回しているので、♂1:♀2~3の組合せがよいと思います。また、6月~8月の産卵期間中は、メスのストレス緩和のため、オスを別の容器に移しておく方がよいでしょう。
冬眠の準備は11月から始めます。11月になればまずエサを切ります(大阪での話です)。落ち葉を公園から拾ってきて、陸場に敷きます。そして透明のビニールでカメ小屋全体を囲みます。
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陸場をこのようにセットすると、落ち葉の中にもぐって冬眠します。冬眠前には潜りやすいように、土を底から掘り返しておきます。
4月になると(あくまでも目安で、気温次第です)、ビニールを外し、落ち葉も取り除き、エサを与え始めます。この時期のエサは消化しやすく体力の回復が早いレバー、豚肉や生きたエビ(関西ではシラサエビが釣りエサ店で購入可能)がお勧めです。
固形飼料を食べてくれれば楽なのですが、成体で購入したカメは往々にして固形飼料を拒絶するものがいるため、色いろなエサを飽きないように与えています。
給餌は冬眠明けや秋には2日に1回、その他の期間は1週間に2回くらいで、ポイントは太らせないようにすることです。太ると、甲羅と四肢の間の皮膚が膨らんでくるので、そのときはエサの量や回数をセーブします。
冬眠明けから5月までは、栄養のあるものを食べさせ、体力回復に努めます。特にメスは6月から産卵するので、この時期の管理が非常にその後に影響します。
梅雨に入るといよいよ産卵が始まります。土が乾いていると産卵しないので、土に水をかけて湿った状態にします。産卵の3日ほど前からエサ喰いが悪くなったり食べなくなるので、産卵が近いことが分かります。産卵する場所がほぼ決まっているので、毎日陸場を覗きます。掘ったあとがあれば、コーヒースプーン(卵を傷つけにくい)で少しずつ卵を割らないよう掘っていきます。1回(1クラッチ)で2個産むことが多く、(少し大きな個体だと3個)これをシーズン中3~4回繰り返します。産卵間隔は3~4週間です。
卵を取り出す前に、卵の真上に4Bの鉛筆で×のマークをつけ、孵化用容器に移す際にはその位置をキープするようにします。
孵化用容器として、あらかじめタッパ容器(100円ショップで販売:蓋に錐で6個ほど穴を開けておきます)を準備しておき、その中に水ゴケを2/3位の高さに固く詰めます。私の場合はこれまで水ゴケしか使ったことがなく、また、孵化もうまく行っているので他の材料に替えるつもりは今のところありません。水ゴケをホームセンターで買ってきて、水に半日ほど漬けて、それを強く絞ります。強く絞っても卵は2ヶ月ほどで孵るので、水ゴケが乾いてしまう心配はありません。
水ゴケの上に、卵の形に少し窪みをつけて、掘り返した卵を置きます。転がらないように半分ほどの深さに埋め、蓋をします。卵が腐っていないかを確認するため、卵の上に水ゴケを被せることはしません。
タッパ容器には、カメの種名、産卵日と番号(その種として何番目の産卵になるのかを表示)をタックラベルに記載して貼りつけます。
さて、卵の置き場所ですが、一度南の部屋に置いたところ、真夏時に窓を少しは開けていたものの日中の室温が33℃~35℃ほどにもなる日が続いたせいか、かなりの仔ガメに甲ズレや尾曲がりが認められたため、それ以降は温度変化が少なく涼しい北向きの部屋(我家ではトイレ)に置くようにしました。
孵化した仔ガメは腹部のヨークサックが吸収されるのを待って(孵化後5日間ほどかかります)、水槽に移します。水位は、甲羅の厚さの2倍ほどにしています。
私は、1クラッチずつ、30cm×20cmほどのケースに入れ、小さな流木をシェルター用として置き、水は毎日全量を換えています。水は直接水道水(塩素処理は行わない)を入れていますが、キボシイシガメは皮膚が強いようで、皮膚病に罹ることはありません。
孵化直後のエサとして、私は生きたイトミミズや冷凍赤虫を与えていますが、赤虫はいかにも栄養がなさそうなので、イトミミズが切れたときの代用食の扱いとしています。近頃は生きたイトミミズをおいている観賞魚店が少ないので、苦労しています。
1~2ヶ月ほど与えて大きくすると、人工飼料に切替えます。人工飼料を拒否し飢え死にするカメを今まで経験したことがないので、すぐには食べなくてもいずれ食べるようになるので心配は不要です。
最後に、仔ガメをまとめて飼っていると、どうもピクピク動く尾を他の仔ガメにエサと勘違いされて齧られ、短くなってしまうことがありますので、ある程度の大きさになるまではできるだけ1匹飼いをお勧めします。
以上、私の経験から注意すべきポイントを書いてきましたが、繁殖自体はそれほど難しいカメではありませんので、最初に書きましたように、是非繁殖にチャレンジして「ぶりくら」に出店してください。
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by kanrep | 2010-04-12 21:29 | 私的バイブル集
第39章、レイテヤマガメ・・・偽名返上、パラワンカワガメ!として生きる。
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幻とまで言われていた種の入荷が数年前にあった。それがこのレイテと言われる亀です。初めて日本に来てその実物を見、そして名前と照らし合わせるとどうもしっくりいかない問題がその時ふと頭の中に浮かびました。それは現存するヤマガメとはその容姿が全く違ういで立ちをしていたからです。本来ヤマガメに特質する様な特徴がこのレイテヤマガメと言われる種には全くもって存在しないのです。どう見てもヤマガメとは程遠く、むしろカワガメやドロガメに近い特徴を多く兼ね備えていました。手足の水かきや、生活習慣、大きさ、色とその多くは水中生活を示唆したものばかりです。ならなぜこんな和名が付いてきているのか?ここには大きな陰謀の様な実話が秘められていた事に私達は踊らされていたのです。

 当時国内への入荷がほぼ皆無に等しかったこの種は、高額で販売できる新たなる種として輸入者の間ではある密約がなされていました。それは生息場所の隠ぺいです。絶対に他の業者にはこの種の正確な情報を流さない。ビジネスとしては基本的な話なんですが、それが生き物の世界でも起こっていたと言う確かな事実を皮肉な事にもこの種は伝える事になってしまいました。そしてその隠ぺい工作にあげられたのが名前の変更でした。頭に産地が付く生き物は様々いますが、ここでもその産地偽装を行う事により他の業者の介入を防いでいたようです。要するにレイテには存在しない亀をレイテに生息している様に思わせておけばみなこの種がほしければレイテに向かうという単純な話です。またジャングルの山の中にいるからヤマガメでいいんじゃない?的な単純発想だった事でしょう。これらの人的理由により歪められた種こそがこのレイテヤマガメの歴史でもあります。

 レイテヤマガメとはどこに生息しているのか?実はフィリピンの島々の中でも名高いパラワン島のみ、もしくはその周辺部に生息すると言われています。レイテ島とパラワンではかなり離れてしまっていますね。これを加味し、その容姿や習性を考え新たに命名するとしたら、パラワンカワガメ、もしくはパラワンホワイトネックタートル、はたまた日本的に言えば、白輪ドロガメみたいなどっかの問屋の社長みたいな名前がふさわしいと思います。ここでは一番オーソドックスにパラワンカワガメ(パラワン島の川や沼にいる水ガメ)という意味合いで使っていきたいと思います。このパラワンカワガメとはどんな亀なんでしょうか?次にこのカメの飼育下での様子を少し書きたいと思います。

 パラワンカワガメはそんなに大型になる水ガメではありません。ボルネオ島に生息するボルネオカワガメはかなり大きくなりますがこの種はあれに比べるとかなり中型種だと思われます。ワイルド個体の入荷を見ていると個体の腹甲などに鉄分を含んだアクの付着が見受けられる事から、大きな大河では無く、むしろその支流やそのまた支流への流れ込みに近く、流れの緩やかな場所が生息場所としては想像できます。この様な場所では水質は軟水傾向になりやすいので、日本の水質で水カビや皮膚炎になりやすいと言う事とも一致します。泳ぎはあまり上手ではないと言うのも水深の浅い所を生息地にしていると言う証かもしれません。これはどちらかと言うとドロガメよりな感覚です。食性も基本的に雑食性で餌付けば何でも食べる傾向にあります。これら全ての事をふまえ結論付けると、パラワンカワガメは、カワガメとドロガメの中間的な存在であると言うのが私の見解です。しかしながら本格的な学術的調査はまだまだ行われておりませんので、研究者達の今後の調査で詳しい生態も明らかになっていく事を期待します。

 この様なパラワンカワガメですが大きな特質すべき特徴が1つ存在します。それは首に入る白いリング模様です。これは一体何の為にあるんでしょうか?
                    
                    結論から言えばわかりません。
 
でもそれでは面白くないんでここからは私の想像です。以前このカメを飼育している時のお話をします。初めてこのカメが入荷してきた当時は何を食べ、どの様に飼育するのか分かりませんでした。そこで色んな事を試しました。ヤマガメの様に飼育しワームやコオロギを与えたり、水ガメの様に飼育し、赤虫や魚、フードを与えたり、とまぁ様々な事を行いました。落ち着いてくると色んな物を食す様になったある時、水槽の中でぼーと首を伸ばしている亀の首を小さな餌の小赤(金魚)がツンツンしているのを見かけた事があります。ツンツンする度に微妙に首が出たり引っ込んだりしているのを見ていると、その白い輪はまるで生きているなんかの虫の様にも見えなくは無かった事を覚えています。それを見て、もしかしたらあの白い輪はワニガメと同じような仕事をする為の柄かも!と思いました。水中であの鮮やかなホワイトラインを思わせる物って、他の生き物からすると水の中に落ちた虫の様に見えてもおかしくはないですよね。真実ももちろん存在し、重要な事ですが生き物飼育の中ではこんな想像も必要ではないでしょうか!皆さんもいろいろ想像し考えてみてはどうでしょうか!

 この様な複雑な経緯を持つパラワンカワガメですが、入荷量は未だに多くはありません。また希少性も大量入荷した一時期を除いては、今また再び上がっていきつつある種であると言う事は間違いありません。フィリピンと言う独特の生体系が生み出したこの独特の進化は、自分にとっては想像力を膨らますには有り余る種となっています。一度アダルトサイズのペアで繁殖までやってみたいと常に考えてはいるんですがその種親を揃えるのが難しい。でもいつか揃えてまだ分からない事を自分なりに考え追求してみたいと思っています。完成されていない飼育学は生涯のテーマだと思っていますので・・・。
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by kanrep | 2010-04-02 14:21 | 私的バイブル集
第38章、キアシリクガメ・・・二つの世界を生きたるもの。
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南米大陸に生息するこの大きなリクガメは、南米のゾウガメとも言われているほどその大きさは世界でも知られています。世界に生息しているリクガメ属のなかでも、たしか3番か4番目ぐらいの大きさを誇っていると思われます。こんなキアシリクガメと言う種なんですが、常にアカアシリクガメと比較される事が多々あります。同じ南米の大型種で、色も形も違うのにほぼ同じ扱いなんて、飼育者はさぞもどかしい事でしょう。ここではありきたりの頭の違いや、甲羅の違いなんかについては書きませんが、飼育の中でこのキアシリクガメが本当はどんな種類なのかを書いていきたいと思います。

 大方キアシリクガメは飼育が簡単で飼いやすい種であるとよく言われます。あながち間違いではありませんが、実際のところこのアジアのゾウガメ、キアシリクガメのアダルトサイズはなぜさほど国内では話題にならないのはなぜでしょう?それはそこまで大きくなっていないからというのが一番大きな問題の一つに挙げられると思います。最大サイズが70~80センチとまで言われている大型種がなぜ大きくならないのか?国内飼育者のほとんどが平均的に30㎝から40㎝ぐらいの大きさには育て上げていますが、そこからのサイズアップがなかなか進まないところなのです。この問題について個人的に色々な角度で検証し、それにより一番ベストな飼育方法を考える事が出来るのではないかと思います。

 まず飼育個体を育て上げていくと普通にエサを食べ大きくならないのが不思議なくらいに状態も良く育ちます。ここでの環境は小さな個体の場合、高温多湿とまあ普通に考えうる状態でみなさん飼育している事と思います。がキアシリクガメに一番必要な事、それは豊富な運動量に起因するものだと私は考えています。この種は基本的に南米の雨季も乾季も関係無く活動します。この自然の成り立ちの中にこそ大きくなる秘密が隠されているのだと思います。

 例えば乾季にはエサの豊富な場所にはより多くの生き物が集います。そこでは様々な生物多様性の理論が働きます。そんな場所では例外なくこのキアシリクガメもより多くのエサを食べる為に集まり、野草が豊富な日のあたる場所では、適度な体温を維持できる為、雨季よりも膨大なエサを摂取するのは想像できます。また産卵などを行うメス個体もこの間に場所の選定や体力増強などを行う事でしょう。これらを行う為には相当量の運動量が必要になると思われます。乾季の作業はこうして約半月と言う期間を過ごすのでしょう。

 その半年が過ぎ雨季を迎えるキアシリクガメは次に何を行うか?雨が降り注ぐジャングルはその広大な土地が水で覆われる事になります。気温は平均して下がり、爬虫類にとっては行動しにくい時期なのですが、このキアシリクガメは雨季の時期でも活動します。エサ場となった豊かな場所は水に埋没し新たなエサ場を探し求める旅に出向かなくてはなりません。その為大きな川や流れのある危険な場所さへも泳いで渡る事になります。決してうまくは無い泳ぎはキアシリクガメの体力を相当奪う事でしょう。また新たにたどり着いた陸場に多くの野草が存在するとも限りません。キアシリクガメにとって雨季は乾季よりも厳しい季節であると言えますね。

 この2期の生活環境の中でキアシリクガメの繁栄と生存を支えているのはやはり大きさなのではないでしょうか。これを耐えうる為には体力が必要となりそれに見合った体が必要です。この進化の過程においては最高のポテンシャルを得たリクガメだと言えますよね。他のリクガメより優れた運動性能はこのキアシリクガメの大きな特徴の一つでしょう。アカアシリクガメも同じような環境で育ってはいますが、甲羅の形状からして、外界に出るキアシとは違い内陸に移動する為の甲羅形成なのかもしれませんね。大きさがほぼ同じぐらいに成長する事から運動能力は互角であると思われます。

 さて、キアシリクガメのこれらの特性を飼育環境下ではどの様に再現すればよいのでしょうか?率直に言ってケージ飼育では不可能に近い、と言うのが私の見解です。だから大きな個体が飼育下では見当たらないのでしょう。環境ストレスによる能力の低下は大きくなる事を必要としていない自然な成り行きの一つです。これを食べ物で補おうとしても、運動能力に必要な量だけを生き物達は食べるにとどめます。ケージと言う限られたスペースでは生き物自体がそれを拒絶する傾向にあると私は考えます。代謝が促進しなければ食べる必要量が変わるのは当たり前の事ですよね。これはお店で放し飼いにしているリクガメ達とケージのリクガメを見比べていると自然と感じられます。

 この不可能という中でも例外的に一筋の光明があるとすれば、飼育個体にできるだけ広く、歩行量を多くしてあげる様な環境作りをしてあげる事により個体をだますと言うやり方が一番いいと思います。人の手で飼育する以上環境再現は難しい問題です。特に大きくなる個体はなおさらなので、ある程度の大きさの個体には放し飼いをお勧めします。もちろん適温の部屋での話ですが。これら様々な事を行ってあげる事で運動量を増やしてあげると言うのが大きくすると言う結果につながる筈です。

 大きくしてなんぼの大型リクガメのキアシリクガメは常に2つの別々の世界を生き抜いています。代謝機能を低下さす事で生き残りの道を切り開くのではなく、活動する事で活路を見出している力強いこの種は逆境をものともしないお手本の様な生き物です。キアシが教えてくれる事、それは今の人間が無くしかけている大切なものなのかもしれませんね。私が以前飼育していた個体も40㎝ぐらいから成長線が出なくなりなかなか大きくなりませんでした。これらを今思えば上文であげた様な理由なのかもしれませんが、これを解決するためにはまた再びキアシリクガメをベビーから飼育し検証する必要がありますね。キアシリクガメを飼育されている方へ・・・70㎝目指して頑張ってください!

 PS・・・ここでは書きませんでしたがこの様な生体には成長段階で紫外線の問題が大きく関わってきます。お忘れなく!!!詳しくはお店にてお聞きください!!!
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by kanrep | 2010-03-09 14:28 | 私的バイブル集
第37章、アルマジロトカゲ・・・荒野の鎧武者!ファイナルデスライン!
 アルマジロトカゲを最初に見たとき、なんて理想的な蜥蜴なんだろう!と思ったのは私だけでは無いはずです。最大サイズが小さく、外見は全身棘に覆われて、一見甲冑をまとった戦国武将を思わせるような容姿は爬虫類マニアにとって胸躍るほど興奮するところです。そんなアルマジロトカゲは、おおよそ飼育も容易で、あまり深く考える事無く初心者でも飼育が可能と言われていますが、はたしてそうなんでしょうか?ここではそんなアルマジロトカゲの知られざる飼育中の出来事を紹介していこうと思います。

 アルマジロトカゲは、アフリカの乾燥した荒野に生息し、岩場などが点在する場所に家族で集団生活をしている事で知られています。そんなアルマジロトカゲを長期飼育をしている間に一番よく起こる事例が、指や尻尾の欠損と言うのがまず一つ挙げられます。これは通常ケージ内は保温器具などで温度を上げる為、乾燥させすぎが原因で起こるのですが、アフリカの乾燥地帯に生息しているにもかかわらずなぜそんな事が起こってしまうのかと言うところが飼育者の一番大きな疑問でしょう。しかし自然環境の中でアルマジロのすみかでもあるシェルター内、つまり岩場や土の中になりますが、そこではおおよそ20%から30%の湿度が常に存在します。これは外気が高く中が低いと言う温度差により起こる事なんですが、これによりアルマジロトカゲの体には常に湿度が保たれ、飼育下で起こる様な欠損などが起こらないと言う事なのでしょう。この事を頭に入れて飼育環境を見直す事が必要になります。シェルター設置場所内に一握りのミズゴケを入れてあげる事や、素焼きの上に水が入るタイプのシェルターにしてあげるのも効果的でしょう。また厚めに土をひき低層を濡らしてやるのも一つの方法です。これら色々なオリジナリティーを駆使して乾燥地帯のシェルター内の再現が重要な要素の一つになると思います。

 次に考えなくてはならない要素の一つが、ダニに対する問題です。アフリカから来る爬虫類にはよく大きなマダニがついてくる事があります。通常このマダニは大きさゆえに人の目にも目視が可能で、1匹1匹除去する事が可能なんですが、アルマジロトカゲにはこのマダニの寄生は過去見受けられません。ただ国内で見受けられるゴマダニなどをはじめとする小型のダニの寄生は事例として存在します。この国内のダニ感染の場合、鎧に覆われたアルマジロは発見が困難でほぼ目視は不可能なので、ダニに寄生され、体液を吸収されだしてからの発見がほとんどです。そして寄生された患部が大きくはれ上がる事で初めて目視が可能になります。他の爬虫類ではこの寄生部を中心にはれ上がると言う事はあまり無いのですが、アルマジロトカゲの場合はおそらくダニの微毒に対する抗体、又は免疫力が少ないのでしょう。この様な事例を防ぐために飼育直後からバポナなどを使用しダニ対策を行っておく事が重要必要だと思います。

 飼育が簡単であると言われる要素の一つに何でもよく食べると言う事があげられます。これが一番の曲者で、それゆえに死に至らしめる事も多々あります。小さな体のこのトカゲは本来アフリカの荒野ではそれほど多くのエサを捕食する事はできません。それを飼育環境下で食べるだけのエサを与えると何が起こるか?そう蓄積しきれないたんぱく質は脂肪となって体内を覆い尽くします。これにより小さなアルマジロは内臓器官を圧迫され突然死んでしまうのです。この様なかわいそうな事例を引き起こさない為にもエサの頻度を考え、飼育する事が重要になってきます。アルマジロトカゲの場合下腹部に最初の脂肪の蓄積が見受けられますので、大方は腸閉塞を引き起こすものと思われます。飼育者はこの事例は重く受け止めて現状の飼育スタイルを一考するのもいいかと思います。

 アルマジロトカゲの生活の中で次に重要要素としてあげられるのが、紫外線です。今ではメタハラなどの器具によりその問題も解決はできているのですが、ここで言っておきたい事は、照射時間についてです。飼育されている方は感じておられると思いますが、他のトカゲに比べバスキング時間はごく短いと思います。これは小型のトカゲの特質でバスキング=危険と言う認識が存在する事により起こります。固い角質に覆われているトカゲでも体が小さい事で紫外線の吸収率は他のトカゲよりも早い事は想像できます。したがってメタハラ照射を行う場合は空中温度をより高く設定し瞬時に吸収できるようにしてあげるのが良いでしょう。この様な環境下ではメタハラの照射時間を短くすると言う事が重要要素になり、この事がアルマジロトカゲの新陳代謝機能を最大限発揮できる方法と思われます。逆に言えば、だらだらと長時間照射していても効果が無いと言う事です。

 先に述べた紫外線の吸収力や代謝の向上を可能にするには、昼夜の温度差が重要にもなります。あげる時はより高く、下げる時はより低くを大前提にしなければアルマジロの代謝機能は最大限発揮できないと考えた方がいいでしょう。これを可能にする事により、前途した様なたんぱく質の分解速度や紫外線吸収率、免疫力の向上と全てが機能するのだと感じます。行動範囲の少ない生き物ゆえに動きの中でカロリー消化が促進されない生き物はこれら全ての要素が重要なのでしょう。

 まだまだこのアルマジロトカゲの飼育に関する検証はしていかなくてはいけませんが、簡単の中にある落とし穴がいくつか存在する事は確かです。実際アルマジロトカゲを飼育されている方もいくつもの理由で死に至らしめてしまった方も存在します。それら一つ一つの事例を考えた時、完全完璧な飼育方法は無いのだと言う事を飼育者は気付かされる事になります。が、しかしそれでもなおこのトカゲの魅力に惹かれるのは私だけではないと思います。理想的なスタイルは爬虫類というよりもむしろミクロな怪獣とさえ思わされます。これは飼育者にしか許されない至福なのでしょう。皆さんにも、場所を取らない理想的かつ、簡単怪獣リザードの世界を一度お勧めします。

 PS・・・アルマジロトカゲで有名な尾を噛んで丸くなるスタイルについてですが、これはアルマジロトカゲが死を感じた瞬間発動する最後の手段です。体は丸くなる事でその外殻は釣針の返しの様な働きをし、のみ込まれる事を防ぎます。よって飼育下でこのスタイルを目撃すると言う事はそれだけアルマジロに外的ストレスを与えていると言う事になりますので好ましくありません。お気を付けください。通常はダッシュでねぐらに戻るのが身を守る手段です。アルマジロの体はこの最後の瞬間の為の構造だとも言えますね。まさに生か死かをつかさどるポーズなのです!極力この最終兵器を出さないようにしてあげないといけませんね!
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by kanrep | 2010-03-08 12:03 | 私的バイブル集
第36章、スッポンモドキ・・・混濁の珍獣。
 もう20年以上になるだろうか・・・。このカメを初めて熱帯魚屋さんの水槽で優雅に舞っている姿を見たのは。それは普通のカメでも無く、又ウミガメでも無い。こんな種類が存在する事さえ知る術もなった時代なのだから、その時の驚きと興奮は今でも鮮明に焼き付いて忘れる事はありません。その時、もう一つ驚かされたのが、水槽の脇に掲げられた値札です。目に飛び込んできた価格は何と、¥350000!!!でした。何度ゼロの数を数えても変わる事はありません。小さな奇怪なカメゆえにいたしかたない価格だろうと幼心に思った事は言うまでもありません。でもその時思ったのが、いつか金持ちになって絶対このカメを買ってやる!そう心に誓った子供店長時代の思い出でが、私の心に、スッポンモドキの完璧なる飼育への挑戦、と言う形で現れたのはそれからさほど時間のたたないある夏の出来事でした。

 熱帯魚のルートで大量輸入されるようになった頃、このスッポンモドキも他の種と同じように価格の暴落が起こりました。あれほど高値だったカメが1匹¥3000から¥5000と言う時代の到来です。まだ業界人では無い私はこの感動に胸躍らせ、5~6匹ほどを購入し飼育を始めました。さてさて、ここからこのスッポンモドキと言う種類との長い格闘の始まりになる事を誰が予想していた事でしょう。なぜこんなに難しい!!!わからない!!!たぶんみな一度はそう思うと思います。

 何がこの種を難しくさせているのか?それは大きく分けて2つあり、一つは混泳の不向きさ、もう一つは皮膚の弱さからくる発病にあります。最初の問題は噛みあいにより起こる縁甲板の損傷や手足の損傷であり、小さな子供達はこの傷が原因で感染症を起こしたり、免疫力の低下で餌を食べなくなったり、又外傷性ストレスで短期間で死に至る個体もあとを絶ちません。免疫力が低下した個体は水に潜る事が出来づ常に浮いた状態になりこのまま死に至る場合も起こってきます。

 後者の場合は、甲羅や皮膚組織に白い水カビ状の丸い円を描いた細菌感染症状が現れ、これが時間と共に無数に増えて行き最終的には死に至らしめます。これはソフトシェルタートルに起こる症例とほぼ同じで、免疫力の無い子供達はすぐにこれに感染してしまうのです。この状況のメカニズムを自分なりに考証し検証していくのにかなりの時間を要しました。

 ではこれらはどう防ぐ事が出来るのか?噛みあいによる外傷は、単独飼育にすれば問題無く解決できますが、細菌性皮膚病もしくは皮膚炎を抑えるには何をすべきなのか?最初の頃は、これを単に薬を入れるだけでの治療法で行っていましたが、結果がなかなか伴ってきませんでした。中にはそれで感染を抑えられ治る個体も見受けられましたが、確率が低すぎてベストな治療法とは自分自身思えません。そこで考えたのが自然環境下の生息状況でした。

 スッポンモドキの子供達は大きな河口の汽水域を生活の場にしています。そこの水質は大方PH7前後、水温28度ほどの環境です。この環境を水槽で再現すればいいのでは?と言う発想でおこなってみましたが、結果的にそんなに向上はしません。なぜなんだ?何がおかしい?こんな状況が、そう何年もうやむやなまま頭の中ではづ~っとありました。しかし長年カメを飼育、検証していく中である事に気付きました。なぜソフトシェルタートルは泥や砂の中でも細菌に汚染されないのか?それと小さなカメの生息領域について。この二つが今まで悩み続けていたスッポンモドキの病気の抑制についての答えを導き出してくれるのです。

 ソフトシェルタートルが泥や砂に潜るのは身を隠すと言うのも一つの答えですが、そうする事により水中の悪い細菌類から体を守っているのだと思われます。通常、水には、水の中に含まれる細菌が存在し、それが体に付着する事で炎症や水カビが発生します。これらを撃退するのが好バクテリアとして存在するバクテリア類だと考えられるのです。バクテリアは熱帯魚飼育では当たり前の存在ですが、カメ飼育ではそう意識されない領域な為、長い間見落としていた落とし穴だったのでしょう。実際のところ、バクテリアにより安定した水質下では、安定した好結果が現れ出したのが何よりの裏付けになりました。自然下でバクテリアと細菌の間には深い関係があると言う事はよくよく考えると当たり前の事ですよね。

 この結果にもう一つの理由である子供の生息領域を照らし合わせる事にしました。大きなアダルト個体に比べ小さな子供達は浅場での生活になります。そこは流れもほとんど無く、水深の浅い高温の場所です。この様な場所ではPHは下がり軟水傾向になる為、弱酸性のバクテリアが一番繁殖する場所になります。が、しかし河口と言う事でPHはさほど下がらないと言う事も推測できます。これらを総合的に考えると、
       温度が高く、水深の浅い、バクテリアが豊富な水質!!!
 まさにこれがスッポンモドキのベビーを飼育するのに一番適した環境であると考えました。
この環境を飼育ケージで再現するならば、水温32℃~34℃、水深20㎝~30㎝、上部、又は外部フィルター仕様!これに細菌を抑制、又は死滅させる為に熱帯魚の薬を薄めに使用し、PH調整の理由でサンゴ砂か荒塩を投入する!これで結果を見る事にしました。

 長い時間をかけ考えられる全ての方法を駆使した結果、見事に生存確率を上げ、発病率自体の低下をもたらす結果につながりました。これを克服する事で、大量の数を扱えるようになりとても飼育が簡単な種へと自分の思いは変貌をとげ、長い闘いの終焉につながりました。

 ほんの2~3℃の温度の違いや変化、また目に見えない物との戦いは色々な事を私に教えてくれました。大きさの違いで生息環境を変えると言う発想もここで生まれ、生き物には非常に重要な要素の一つと言う事を学びました。種類で飼育方法を統一してはいけないと言う教訓ですよね。スッポンモドキを通じて教えられた事は未だに多くの生体飼育に役立ち、見えない物を見る目を私に授けてくれたのは本当に嬉しい事です。初めてであった衝撃の瞬間からはじまった私のスッポンモドキとの付き合いは、今ではあの頃思った純粋な思い出で溢れています。そんなスッポンモドキも今では乱獲と地震や津波の影響もあり生息数が激減してきている事は残念でなりません。今後輸入される個体は1匹でも大事に育ってほしいと願わずにはいられません。

 
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by kanrep | 2010-03-01 18:45 | 私的バイブル集
第35章、 ソメワケササクレヤモリ・・・学びの母!
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 このヤモリほど飼育に関して学べる生き物は他に無い。愛らしい顔からは想像だにしない強い生命力を持ち、環境スペースもいらず、全てにおいてランニングコストもかからないまさに理想的なヤモリの一種です。そんなソメワケササクレヤモリは、飼育環境や飼育方法についておおよそ語るべき所は無いのですが、この種で一番スポットをあてたいところ、それはこの種の繁殖能力の高さでしょうね。ここではその能力の高さと確率について少し書いていきたいと思います。

 ソメワケササクレヤモリは、年間2回~3回のブリードか可能で、一回に付2個の卵を産み
落とすので、年間1ペアで最大6匹の子供達が誕生する事になります。おおよそこの種についてはこれが平均ペースになりますからその繁殖能力の高さはよくわかりますよね。しかしこれは一般的ブリーダーが行う結果を示したものではなく、誰がやろうが大方この様な結果が出てくると言うのが面白いところなんです!例えば初めてソメワケササクレヤモリを飼育されると言う方が繁殖にチャレンジしても、トップブリーダーと同じようにコンスタンスに繁殖を狙えて結果がついてくる非常に面白い特徴を示しています。繁殖の成功確率はほぼ100%に近いと言っても過言では無いと言うのが私の見解であり、その中から学ぶ多くの事柄は、飼育者にその後、莫大な知識と経験をもたらしてくれる最高の種であると言えるでしょう。この種を飼う事により、爬虫類飼育における最大の魅力の一つでもあるブリーディングと言われる世界の全ての基礎をこのソメワケが解き明かしてくれる事になるでしょう。

 基礎的ブリーディング技術と言うのは、飼育、繁殖(交尾)、抱卵、ハッチリング、孵化、
などの流れの中でその全てを完璧にこなしていかなければならない技術になりますが、ソメワケの場合その大きな流れを適度に行う事で味わえます。中でも一番難しいとされるハッチリングでも、簡易の施設(タッパなどにマットをひいた様な物)に温度(約28~30℃)をかければ約3カ月でベビーの誕生です!これも大方80%以上の確率で成功してしまいます。

 子供が生まれれば、1匹1匹個別にわけて、約1週間後から小さなコオロギなんかを食べだしますので、それぞれが食べるか食べないかを確認しながら育てて行きましょう!この時小さな子供が餌を捕食する瞬間や量、また脱皮の頻度などをちゃんと記録し学んでいく事をお勧めします。なかなか小さな子供を扱う事は爬虫類飼育ではありませんのでチャンスだと思ってください。生存確率90%以上!!!

 繁殖が成功した暁にはまずお母さんのケアが重要です。私が多くの子供達を繁殖させた時もこの母親のケアが最も重要だと感じました。通常はオスメスを離して単独飼育に切り替えてケアしていくのですが、産後のトリートメントを行っている最中でもお母さんの体内に保存されている精子により抱卵してしまう場合があります。こんな時はお母さんのカルシウムを補う為に最大の努力をしてあげないと、腰骨が浮き上がり母体もろとも死に至る場合もありますが、エサをちゃんと捕食してくれている間はそれも簡単に回避してしまうでしょう!お母さんの生存確率70%以上!

 これら全ての流れの中で、極めて高い生存確率を有する本種ですが、学べる所はまだまだこんなものじゃないんです。それは繁殖における遺伝子の伝達。ソメワケには様々なバリエーションが存在し、見た目に全く違った容姿で現れます。これは他の種で作出される様々なタイプと同様に、ちゃんとした法則性を持って現れてきますので、メンデルの法則を実戦で短期間のうちに試す事ができます。自分の遺伝の知識を実際に確認する上では長けた存在であると言うのはこの種の繁殖の速さが可能にさせているの事であって、他の種類ではまず短期間学習は不可能です。そしてこの遺伝の学習は、その他全ての爬虫類繁殖に共通して生かされる重要な知識を身につける術としては最高のパフォーマンスになる事でしょう!!!

 かわいらしいく、ただただ普通に飼育していても癒される小型のヤモリが、これほどまでに自分に知識と経験を植え付けてくれまいた。ヤモリの世界のみならず全ての基本の原点を短期間で身につけられる種類なんてこの種をおいて他に無い!他の追随を許さないほどの繁殖能力の高さは自然環境の厳しさ裏付けです。捕食者が周りを囲う四面楚歌の様な環境を生き抜くにはこれぐらいの繁殖スピードと高い生命力が必要なのかもしれませんね。
 
 ソメワケササクレヤモリとは、小さな体で子孫を絶やすこと無く、繁栄に導く小さなスーパーマンではないでしょうか。そこから学んだ事は生涯の宝になる事でしょう!!!

 
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by kanrep | 2010-03-01 12:28 | 私的バイブル集
第34章、ニホンイシガメ・・・罪を背負わされし者
 
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これほどのカメが我が祖国にいる事を誇りに思わなければ、カメが好きとは言えないだろう。ニホンイシガメにはそれほどの魅力が十二分に存在する。私の中でのニホンイシガメは幼き日に、故郷で戯れた楽しく、切ない思い出の中に存在する。それは今思えば何でも無い事で悩み、また小さな事で喜びを感じさせてくれた初めての愛玩動物だったのだろう。そんな思い出のニホンイシガメも大人になって飼育環境を冷静に分析し、マニア的な目で見た時、これほど繊細で、癖のある種なんだと言うのを感じずにはいられません。多分多くの飼育者は、一度はこう思う事がある・・・、
 
  国内に生息しているにも関わらず難しい?なんでこんな事になるんだろう?・・・と。
 
 国内に生息していながらその多くは下流域の池や沼ではなく、どちらかと言えば川の中流域や上流域に近い環境に生息しています。餌は雑食性で冬眠もできる万能型。この一見弱点の無いかのようなタイプでも、まず飼育者が経験するのは、手足や顔までにはびこるカビの様な黄色みを帯びたものの為、カメが餌を食べず衰弱していく様子でしょう。これは子ガメの方が陥りやすく死に至る事もよくあります。大きなアダルト個体でもそれは起こりなかなか厄介な存在なのです。この水カビの様なもは一体何なのでしょうか?

 これ、実はカビでは無く、細菌性皮膚炎なんです。イシガメの皮膚はバクテリアのいない水質ではこの細菌類が増殖しやすくすぐに犯されてしまいます。本来流れのある河川などでは他のカメよりも皮膚へ細菌が付着する事は少ないのですが、止水のケージなどで飼育するとあっという間に付着していきこの様な事が起こります。またイシガメの皮膚は泥の中に生息している細菌、又は汚い水で生息できる細菌、又生息領域に存在しない細菌への抵抗力が少ないと言えます。これは生息領域を考えれば当たり前の事なんですが、なかなか気付かない落とし穴でしょう。この様な理由でイシガメは飼育が難しいと感がえる方が正しいと思います。

 ではどうすればうまく飼育できるか?これは実はすごく簡単な事で、細菌性皮膚炎は熱帯魚の薬(エルバージュ)なんかで簡単に治せちゃいます!薄めた薬水で水温28度前後にすると2~3日で細菌は全滅してしまいます。これを発病の度に行ってあげれば本来カメが持っている免疫力により皮膚に抗体ができて、この細菌に対応する皮膚が形成されます。そうなれば通常の日本の水道水でもバージョンアップした皮膚には細菌が付着せず簡単に飼育が可能になるんです。他のカメでも同じ事は起こるのでこの方法は覚えておいても損は無いでしょう!

 これさえクリアーできれば誰でも簡単に飼育できる最高の相棒にできる事は言うまでもありません。大きなペアを揃えればブリードも可能で幅広く楽しむ事が出来る最高の日本のカメなのです。イシガメは苔むしたごろた石に擬態した色合いをしている為、美しい甲羅の色彩をめでる事もまた一興!日本の和をそのままカメにした、まさに和製爬虫類。いや~ほんと最高!

 しかし最近は環境破壊などの理由で生息数は激減していると言う悲しい現実も存在します。ニホンイシガメを考えた時、国内でどの様な環境破壊が行われ、なぜ生息数が激減していくのかを爬虫類飼育者は考えないといけません。身近なところで行われている事が、今まさに世界各地で同じように行われ、生き物達は悲しい運命をたどりつつあるというのが現実です。世界で起こる事はどうにもならなくても、身近で行われる環境破壊は日本に住む私達がどうにかしないといけない問題です。ニホンイシガメはそれを私達に教えてくれているのかもしれません。大人になった今、何かできる事を考えよう!そしてやろう!そう思います。
 
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by kanrep | 2010-02-24 02:08 | 私的バイブル集
第33章、ナメハダタマオヤモリ・・・マダムの至宝
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 レビレビと言われる代表的なランドゲッコーの一種がナメハダタマオヤモリです。見る者に癒しを与え、そのグラム単価の高さからダイヤや金にも匹敵するほどの高価な爬虫類としてお目見えしました。アメリカのブリーダーのおかげで今では価格も落ち着き比較的手にしやすい価格帯になりました。そんなレビレビの秘めたる魅力を少しご紹介しましょう。

 この種は砂漠に生息している為、飼育ケージにはオーストラリアの赤砂がよく似合い、またこの赤砂を20㎝~30㎝ひく事でブリードまでできてしまいます。タマオヤモリの魅力は大きな黒ずんだ瞳は言うまでもありませんが、最大の特徴である尻尾の先に付いた球にあります。獲物の昆虫を捕食する時、飛びかかる数秒の間、この球をぷるぷる震わせてタイミングをはかる作業をします。他のランドゲッコー(ヒョウモントカゲやニシアフリカ等々)も同じように捕食前は尻尾をふるしぐさは行いますが、それらと比べても格段に丸いと言うだけで可愛さ、受ける印象などが変わってきます。これをよ~く観察してみると小さなレビスはエサを見つけてからそのエサとの距離を詰め、制止してからぷりぷりを始めます。そして少し尾を上げ一気に捕食!これは意味無く何度見てもたまらないもんです。また巣穴をほって生活するためご飯が終わればすぐさまおうちに帰ります。だから飼育下ではあんまり姿を見れないんですよね。でもそのワイルド感のある生活が逆にこの種の魅力なんです。普段の姿をケージで再現できる希少な生き物なんですよ。大きな入れ物もこの種では意味が無く、小さな環境でも巣穴と言うテリトリーさへ提供してあげれば環境ストレスもさほどかからず問題無く飼育できてしまうんです。温度も20℃~25℃もあれば十分なので夏場の高温だけ気を付ければ問題なし。暑い時はお家から意味無く出て来てくれるのでわかりやすいんですよ。底面プレートヒーターをひいておけば砂の中は意外と温いし、いたってシンプルな飼い方が可能です。

 でもそんなレビスでも気をつけなくてはいけない事、それはエサの与え方。絶対にエサの放置プレイはこの種にとっては命取りで、食べるのを常に確認し食べ残しはすぐさま取り出す癖をつけましょう。これをしないと最悪コオロギにかじられ死に至ります。私はこの種が初めて国内に入荷した時、頑張ってローンを組んでペアを購入しましたが、1匹を1週間後にこのつまらないミスにより殺してしまいました。お金の事もそうですがそれよりも、自分の知識の無さへの反省、それにより殺されてしまったレビスの無念が重くのしかかった事を今でも忘れません。めんどくさいかもしれませんがこの苦労を惜しむのならば飼わない事をお勧めします。 またレビスは音にも敏感で、大きな音を長時間聞かせたり、突然の大きな音などでもびっくりしてストレスを感じます。これによりエサ食いが悪くなるという症例も確認していますので気をつけましょう。

 やわらかでつやつやとした若い女性のやわ肌を感じさせるナメハダタマオヤモリはヤモリの中では一番好きなヤモリだと私は思っています。一度飼育すれば私が感じた楽しさ、優越感、癒しなど全てを味わう事が誰でも簡単にできるでしょう。そんなレビスですがアメリカでのブリード数は昨年からの不況と共に激減しまたもや価格が高騰しようとしています。爬虫類が嫌いな人にも可愛いと言わせてしまうほどのヤモリなので多くの人が手軽に飼育できるのが理想なだけに輸入状況がこれから厳しくなる事は残念です。これを読まれた皆さんに一度は飼育してもらいたいヤモリなだけに・・・。
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by kanrep | 2010-02-23 15:12 | 私的バイブル集
第32章・・・マダガスカルヨコクビガメ(狂気の真実)
 
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何年か前、大量の数が輸入され一躍ヨコクビガメの知名度を上げた人気種だが、その大量入荷の為、レア度が減退し人気も比較的落ち着いた感のある種になりました。この種の最大の魅力は成長に伴い大型化しその容姿は見る者を圧倒する迫力にある。また飼育も容易で、何でも食べ、高温、低温にも強く、粗悪な環境でも適応してしまうほどの生命力の持ち主だ。ある意味日本に帰化しているミドリガメを思わせるほどの強さは飼育者にとってはありがたい長所と言えるだろう。容姿も一枚一枚の甲板に美しい黒く細いラインが入り、鮮やかな茶褐色で、少しふくれっ面の口元も何とも言えない可愛さも兼ね備えているのが面白い所だ。最近では国内でもブリード個体が出ておりCB化が図られていると言うのは、大型種としてはあまり例が無く、大変喜ばしい事です。しかしながらこのもっとも理想的な種であるマダヨコにも飼育者を悩ますデメリットがある事を覚えておかなくてはいけません。

 マダガスカルヨコクビガメの最大の短所、それは凶暴性にあります。この種は大型化する為に捕食量も膨大で空腹を満たすのにかなりのエサの量が必要になります。したがって空腹を満たす間は常に気が荒く、他のカメやその他の生き物をむやみやたらに攻撃し捕食の対象にしようとしてしまいます。この様な個性により単独飼育が基本になりなかなか他の生き物との混泳を困難なものにしてしまっているのが大方の見解ではないでしょうか。でもこれは本能であり当たり前の事なので、飼育下でこれを逆手にとってそこを楽しむ飼育方法は無いものかと自分なりに色々と検証してみました。

 まずこの様な気の荒い生き物は狭い飼育環境では絶対と言っていいほど飼育は不可能です。弱い個体がすぐに淘汰されてしまいますから、広めのケージ(1200x600x600)を用意して、底面に砂をひいて潜れるようにし(沼ガメは泥にもぐるので)、中には倒木をアレンジした大きめの流木を流しました。これをオーバーフロー水槽にして水質の安定をはかり、そこへ6匹ほどの個体を混泳させて飼育してみました。

 水槽上部にはメタハラを照射しバスキングもできる様設備を整え様子を見ていくと、やはりと言っていいぐらいに小競り合いは起こります。でも死に至る喧嘩はおこりません。ある程度の広さが、逃げる!という行為を再現し、緩和されているのです。またこの状態で1年以上飼育していると水槽内で交尾をする状況も見うけられ面白い。砂の中では潜って安眠している個体や、倒木の上では2~3匹が同時にバスキングしている姿も見受けられます。これは、なんとも自然な田舎の池を眺めている様な感覚に陥り、しばし時の過ぎるのを忘れてしまうほどの感覚を屋内で味わう事が出来てしまいます。

 これらの状況を見ているとマダガスカルヨコクビガメのデメリットでもある凶暴性にはかなりの誤解がある様に思います。本来この種が他を攻撃したりする理由は自己のテリトリーを保全するためのもので、むやみに攻撃しているものではないと思います。狭いケージで飼育されその本質を理解されないが為に凶暴性だけが強調されいているにすぎないのだと言う事をこの飼育では学びました。本来この種が生息している広い池や沼ではごくごく普通のカメの暮らしをしているだけなのでしょうが、飼育と言う特殊な人間の作り出す環境下では、本来の姿をみんな見る事ができていないだけの事ではないでしょうか。凶暴性とは本来自分の身を守る為の行為であり、私達がこのマダガスカルヨコクビガメに対する凶暴性はその本質を逸脱した見解なのだと思います。

 私は今、この種について考えた時、マダガスカルヨコクビガメにあった施設で飼育さえすれば実は温和で協調性のある種なのではないかとさへ思っています。マダガスカルの生息地では一定の場所でまとまった数の個体が安定して生息していることからもそれはうかがい知る事ができます。なかなか日本の飼育事情では見落としがちなこの種の魅力を存分に味わうには様々な事を考え、挑戦する事が必要です。誤った認識で飼育しつづけると言う事、それはマダガスカルヨコクビガメの間違った楽しみ方なのではないでしょうか。
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by kanrep | 2010-02-23 11:48 | 私的バイブル集


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