第40章、キボシイシガメ・・・アクアリウムの銀河伝説。
今回は特別企画として、毎年行われるブリクラでおなじみのミズガメブリーダー、ヒポカンパスの江郷さんの投稿記事を掲載いたします。キボシイシガメブリードをはじめその他様々な水ガメの繁殖を試み、それらを成功させる技術力は、全てのブリードを目指す人にとっての指針になると思います。今後ヒポカンパスさんにはこれらの技術公開をお願いし、多くの爬虫類ファンにブリードと言う世界をより一層身近なものにしていく為に尽力を尽くしていただくようお願いしたところ、快く快諾していただきこの様な企画が成立いたしました。ヒポカンパスさんには今後も色々な事でご協力とご教授を賜りたいと思います。   カンレプ 間瀬隆徳

                 
 キボシイシガメ(以下、キボシ)は、国内では比較的ポピュラーな種で、黒い甲羅に黄色のスポットが散らばった、名前のとおり夜空に輝く星をイメージさせる小型の美しいカメです。
今回はキボシの繁殖をメインに、これまでの私の経験を踏まえて書いてみますので、これを読まれて繁殖にチャレンジする人が増えてくれれば幸いです。
私は大阪に住んでいるので、例えば冬眠の準備については大阪或いは広くても関西にのみ適用されると思って、適宜修正を加えてください。
キボシは北米(カナダ・アメリカ合衆国)に生息するカメなので、1年を通して屋外で飼育できます(成体は冬眠させています)。
飼育容器は、セメントをこねるときのトロ舟をホームセンターで買ってきて(サイズは87cm×59cm)、底には排水用の金具とゴム栓を取り付けて、掃除が簡単にできるようにしています。
キボシは非常に日光浴を好むカメであり、また、産卵場所が比較的偏るため、飼育容器の半分を陸場にしています。水場と陸場の境界は、できるだけ軽く仕上げるために発泡スチロールの板を置いた上から防水セメントで固めて、さらにシリコンで目張りをしています。キボシの容器は屋上に置いているので、夏は強力な日差しが照りつけます。いくら日光浴が好きだといっても、日差しを遮るものがないと熱射病になって死んでしまうので、屋根は不可欠です。私は、写真のように日曜大工でカメ小屋を作っています。カメ小屋にはカラス避けに防鳥ネットを被せています。
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陸場は、砂と土を半々に混ぜて堀りやすくしています。
オスは年中メスを追い回しているので、♂1:♀2~3の組合せがよいと思います。また、6月~8月の産卵期間中は、メスのストレス緩和のため、オスを別の容器に移しておく方がよいでしょう。
冬眠の準備は11月から始めます。11月になればまずエサを切ります(大阪での話です)。落ち葉を公園から拾ってきて、陸場に敷きます。そして透明のビニールでカメ小屋全体を囲みます。
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陸場をこのようにセットすると、落ち葉の中にもぐって冬眠します。冬眠前には潜りやすいように、土を底から掘り返しておきます。
4月になると(あくまでも目安で、気温次第です)、ビニールを外し、落ち葉も取り除き、エサを与え始めます。この時期のエサは消化しやすく体力の回復が早いレバー、豚肉や生きたエビ(関西ではシラサエビが釣りエサ店で購入可能)がお勧めです。
固形飼料を食べてくれれば楽なのですが、成体で購入したカメは往々にして固形飼料を拒絶するものがいるため、色いろなエサを飽きないように与えています。
給餌は冬眠明けや秋には2日に1回、その他の期間は1週間に2回くらいで、ポイントは太らせないようにすることです。太ると、甲羅と四肢の間の皮膚が膨らんでくるので、そのときはエサの量や回数をセーブします。
冬眠明けから5月までは、栄養のあるものを食べさせ、体力回復に努めます。特にメスは6月から産卵するので、この時期の管理が非常にその後に影響します。
梅雨に入るといよいよ産卵が始まります。土が乾いていると産卵しないので、土に水をかけて湿った状態にします。産卵の3日ほど前からエサ喰いが悪くなったり食べなくなるので、産卵が近いことが分かります。産卵する場所がほぼ決まっているので、毎日陸場を覗きます。掘ったあとがあれば、コーヒースプーン(卵を傷つけにくい)で少しずつ卵を割らないよう掘っていきます。1回(1クラッチ)で2個産むことが多く、(少し大きな個体だと3個)これをシーズン中3~4回繰り返します。産卵間隔は3~4週間です。
卵を取り出す前に、卵の真上に4Bの鉛筆で×のマークをつけ、孵化用容器に移す際にはその位置をキープするようにします。
孵化用容器として、あらかじめタッパ容器(100円ショップで販売:蓋に錐で6個ほど穴を開けておきます)を準備しておき、その中に水ゴケを2/3位の高さに固く詰めます。私の場合はこれまで水ゴケしか使ったことがなく、また、孵化もうまく行っているので他の材料に替えるつもりは今のところありません。水ゴケをホームセンターで買ってきて、水に半日ほど漬けて、それを強く絞ります。強く絞っても卵は2ヶ月ほどで孵るので、水ゴケが乾いてしまう心配はありません。
水ゴケの上に、卵の形に少し窪みをつけて、掘り返した卵を置きます。転がらないように半分ほどの深さに埋め、蓋をします。卵が腐っていないかを確認するため、卵の上に水ゴケを被せることはしません。
タッパ容器には、カメの種名、産卵日と番号(その種として何番目の産卵になるのかを表示)をタックラベルに記載して貼りつけます。
さて、卵の置き場所ですが、一度南の部屋に置いたところ、真夏時に窓を少しは開けていたものの日中の室温が33℃~35℃ほどにもなる日が続いたせいか、かなりの仔ガメに甲ズレや尾曲がりが認められたため、それ以降は温度変化が少なく涼しい北向きの部屋(我家ではトイレ)に置くようにしました。
孵化した仔ガメは腹部のヨークサックが吸収されるのを待って(孵化後5日間ほどかかります)、水槽に移します。水位は、甲羅の厚さの2倍ほどにしています。
私は、1クラッチずつ、30cm×20cmほどのケースに入れ、小さな流木をシェルター用として置き、水は毎日全量を換えています。水は直接水道水(塩素処理は行わない)を入れていますが、キボシイシガメは皮膚が強いようで、皮膚病に罹ることはありません。
孵化直後のエサとして、私は生きたイトミミズや冷凍赤虫を与えていますが、赤虫はいかにも栄養がなさそうなので、イトミミズが切れたときの代用食の扱いとしています。近頃は生きたイトミミズをおいている観賞魚店が少ないので、苦労しています。
1~2ヶ月ほど与えて大きくすると、人工飼料に切替えます。人工飼料を拒否し飢え死にするカメを今まで経験したことがないので、すぐには食べなくてもいずれ食べるようになるので心配は不要です。
最後に、仔ガメをまとめて飼っていると、どうもピクピク動く尾を他の仔ガメにエサと勘違いされて齧られ、短くなってしまうことがありますので、ある程度の大きさになるまではできるだけ1匹飼いをお勧めします。
以上、私の経験から注意すべきポイントを書いてきましたが、繁殖自体はそれほど難しいカメではありませんので、最初に書きましたように、是非繁殖にチャレンジして「ぶりくら」に出店してください。
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by kanrep | 2010-04-12 21:29 | 私的バイブル集
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